近道。

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 「晃くんと私、似てるかも。晃くんも他人の心の裏側読むの得意でしょ。そうだよ。多分律くんは、あの事故で優衣に罪悪感を持つだろう。優衣も律くんの同情を引こうとするだろう。だから、2人をくっつけない様に先手を打とうを思った。優衣に律くんを取られたくなかったの。最低な姉だよね。妹が大変な時にさ」  優奈さんが、苦渋に眉間を寄せながら瞳を伏せた。  「最低なんかじゃないですよ」  だって、懸命に人を好きになっただけ。  目の前の優奈さんが、あまりにも弱々しく見えて、思わず優奈さんの肩を掴んで抱き寄せた。  優奈さんが、俺の肩に顔を埋める。
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