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「…うちらさぁ、優衣と律くんにかませ犬やらされたわけじゃん。言うなれば、被害者じゃん。なのに、2人に気遣って友達の家に遊びに行けなくなるって、何か癪に障らない?」
『晃はそうは思わない?』と、優奈が俺の胸の中で顔を上げ、俺を見上げた。
「…そう言われると、腹立つかも。優衣に気遣わずに普通に律と遊びたいけど、出来ないし」
「…ねぇ。お菓子買い足さない? 大量にお菓子持って、今から律くんの部屋に突撃しようよ。で、腹癒せに散々食い散らかして帰ってやろうよ!!」
不敵に笑う優奈。
それ、いいね。すごくいいよ。さっき優奈にパンとお茶買ってもらったから、お菓子は俺が買うわ」
優奈の提案に乗っかり、お菓子コーナーに直行。お菓子を買い漁る。
わざとボロボロとすぐ崩れそうなお菓子をたくさん買い、それをチャリのカゴに押し込み、いざ律の家へ。
「俺、まだ高校生だから、マイカーがチャリなんだけど、良かったら後ろ乗らない?」
チャリの荷台に優奈をお誘いすると、
「喜んで。なんか、高校生に戻った気分」
優奈は嬉しそうに荷台に座り、俺の腰に腕をまわした。
「しっかり捕まってて!! いざ、出発!!」
「はーい!!」
勢い良く地面を蹴り飛ばし、優奈と一緒に腹癒せと言う名の仲直りをしに行こう。
今日から俺らは、恋をする。
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