分かれ道。

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 そんな毎日を消化していると、夏休みも残り3日になっていた。  学校が始まるのはだるい。  ただ、今年は夏休みが終わることに淋しさはなかった。  俺は大人になった時、優奈さんと過ごした今年の夏休みを思い返す事はあるのだろうか。  優奈さんも、こんな風に考えている俺なんかといて楽しかったのだろうか。  優衣は、病院で退屈な夏休みを送っていたのだろうか。  今日、優衣が退院をした。  新学期に間に合った。  退院したのに、優衣は俺の部屋に顔を出しても来ないし、相変わらず避けられてはいるけれど、踏ん張って優衣と同じ高校に入って良かった。  優衣に、会える。
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