平行線。

2/12
前へ
/164ページ
次へ
 「なんか、毎日お見舞いに行って色々喋ったりしてるうちに、優衣の事好きになってたわ。昨日告ったらOK頂けましたー」  『いぇい』とVサインをして、はにかみながら笑う親友。  …手放しに喜べないのは何でだろう。  俺が優衣に会えずにモヤモヤした時間を過ごしていた頃、優衣は晃と恋をしていた。  怒りに似た思いが湧き上がるのを感じる。  自分だって恋愛をしているくせに、恋をする優衣に腹が立つ。  何も卑怯な事などしていない晃に、抜け駆けをされた気になる。  この厄介な感情は何なのだろう。
/164ページ

最初のコメントを投稿しよう!

429人が本棚に入れています
本棚に追加