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優衣と晃が並んで歩く後姿を眺めて、エレベーターに乗り、家に戻る。
久々にゆっくり朝食を取って、いつも通りチャリで学校へ。
「…俺、何の為に早起きしたんだろ」
『はぁ』溜息を吐きながら自転車を漕いでいると、優衣が事故に遭った道にさしかかった。
優衣は誰も悪くないと言っているらしいけど、あの時吹いた風が、風煽られて倒れた自転車が、優衣を撥ねた車が、優衣を見捨てた自分が、憎い。
奥歯を噛み締めながら、全速力でその場を駆け抜けた。
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