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今日の授業が全部終わって、どうせ同じマンションに帰るのに、どうせ18:00に会うのに、優衣は彼氏の晃と一緒にバス停に向かって行った。
俺は行き同様、チャリで帰宅。
自転車を漕ぎながら、優衣に何を話そうかワクワクしながら考える。
〔仲直りがしたい〕
とにかく、これだけは伝えたい。
だけど、ここ2ヶ月まともに会話をしていないから、何でもいいからいっぱい喋りたいと思った。
--------18:00。
が、待ちきれなくて、10分前にエントランスに駆け下りる。
ソファーに腰を掛け、エレベーターが開くたびに目を凝らし、優衣か否かを確かめる。
結局優衣も、5分前にエントランスに下りて来た。
怪我してるんだから少しくらい遅れて来てもいいのに。
松葉杖をつきなら、俺が貸したマンガなどが入っているだろう紙袋を腕に引っ掛け、こっちに向かってくる優衣。
そんな優衣に駆け寄り、優衣の腕から紙袋を引き抜く。
「言ってくれれば、優衣の家まで取りに行ったのに。どうせ同じマンションなんだから」
「いやぁ…。それはちょっと…。私が事故ったせいで、お母さん、律とお姉ちゃんの事、あんまり良く思ってないみたいでさ。ごめんね。気軽に彼女の家に遊びに来れない状況にしちゃってさ」
優衣が、苦笑いを浮かべながら頭を下げる様に俯いた。
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