袋小路。

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 『はぁ』溜息をひとつ吐いて、俺も自分の家に戻るべく、エレベーターのボタンを押す。  ゆっくり下りてきたエレベーターに乗り込むと、ポケットの中でスマホが震えた。  右手をポケットに突っ込み、スマホを取り出し画面をタップすると、電気屋のゲームコーナーからのメールが受信されていた。  予約していたゲームが入荷したお知らせだった。  予約していたゲームは、優衣と小さい頃からやっていたRPGのシリーズもの。  優衣が事故に遭う前に、2人で胸を高鳴らせながら予約をしに行ったものだった。  1作目から、ずっと優衣と一緒にやってきたゲーム。  優衣とする事は、もうないのだろうか。
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