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「…ゴメン。今日はやめとこう」
優衣を助けなかったあの日の後悔が押し寄せて、続ける気にならなかった。
そっと優奈さんのシャツを下ろして起き上がる。
「救急車、優衣じゃないよ」
優奈さんが俺の正面に来て抱きついた。そして俺の首筋に唇を這わす。
「…うん」
分かっている。だって優衣は…。
「優衣は今、晃くんと一緒にいる。だから、あの救急車は優衣じゃない」
今度は優奈さんが俺を押し倒した。
「分かってるよ!!」
思わず大きな声を出しては、優衣さんを押し退けた。
そんな事、言われなくたって知っていた。
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