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「じゃあ何で? 律くんは優衣の事が好きなの?」
優奈さんが、怒っている様な、不安そうな、涙を溜めた瞳で俺を見た。
「優奈さんは救急車の音を聞いても何とも思わない? あの時の後悔を思い出さない?」
あの日だって今日だって、優奈さんを好きだから抱きたいと思ったんだ。
優奈さんの的外れな問いかけには答えず、質問を返す。
「…私と寝た事、後悔してるんだ」
俯いた優奈さんの目から、涙が零れ落ち、ベッドに染みを付けた。
「後悔してるのは、優衣を助けなかった事だよ。優奈さんと寝た事じゃない!!」
優奈さんの勘違いを慌てて否定する。
勘違いなんかで悲しんで欲しくない。
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