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「優奈さんを探すだけ。ただ、それだけ。優衣は黙って俺の後ろで優奈さんを探してればいいよ。俺の顔を見る必要もなければ、お喋りの相手だってしなくていい。俺の事は『ただ、自転車を代わりに漕いでくれるロボット』って認識でいいから。だから、ひとりで探すとか言わないで」
優衣がこれ以上、怖くて痛くて辛くて苦しい思いをしなくて済むなら、俺は何でもいい。
人じゃなくていい。ロボットでも犬でも虫でも何でもいい。
『…入院中、誰かさんの差し入れのお菓子のせいでだいぶ肥えたけど、一生懸命漕いでね、ロボットさん』
腑に落ちていないのか、若干のしぶしぶ感を出しつつも、優衣の方が折れてくれた。
「任せとけ」
張り切って2、3回屈伸をして家を出た。
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