袋小路。

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 「良かったな、優衣」  優衣の頭を撫でて、そのまま背中におんぶした。  「優奈さん、ゴメン。俺のチャリ、優奈さんが乗って帰ってくれないかな。俺、優衣おんぶして歩かなきゃだから」  優衣をおぶりながら、優奈さんの為にチャリのサドルを下げようとすると、  「いいよ、下げなくて。自転車引っ張りながら一緒に歩いて帰るから」  優奈さんは笑顔で首を横に振って、自転車のハンドルを握ると、それには乗らずに引っ張りながら歩き出した。  「ありがとう。優奈さん」  隣に初恋の人がいて、背中には幼なじみがいる。  3人で歩く夜道は、幸せで、どこか切なかった。  どうしてこんなに近くにいるのに、心はすれ違ってしまうのだろう。
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