426人が本棚に入れています
本棚に追加
…まぁ、そうなるわな。
優衣は俺並みに朝が弱い。
なのに、バス通学の今、優衣は俺より早起きをしなければならない。
マンション付近のバス停から出ているバスは、学校へ行くには遠回りの路線。だから、自転車通学するより時間がかかってしまうという、どちらかというと不便な交通手段。
故に、俺より更に睡眠時間が短い。
そりゃあ、瞑想もしてしまうだろう。
悟りを開け、優衣。
などと、優衣を横目に俺も机に突っ伏していると、
「何だよ、律も寝不足?」
頭の上から声がした。
顔を上げると晃がいて、
「優衣も昨日寝てないみたい。『マンガ読んでて寝忘れた』って言ってたけど…本当かな。また事故の事思い出して眠れなくなったとかじゃないかな」
晃が心配そうにチラっと優衣の方を見た。
最初のコメントを投稿しよう!