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「律は何で寝不足?」
優衣の次は、俺の心配をしてくれる晃。
「…ゲームしすぎた」
優衣と同様、俺も晃に嘘を吐く。
「優衣がマンガで律がゲーム…ねぇ」
晃が、怪訝そうな顔をした。
確かに今の嘘は下手くそだったな。とは思ったけれど、晃がそれ以上に突っ込んでこなかった為、俺も他の言い訳を上塗りする事はしなかった。
晃が自分の席に戻り、先生が教室に入ってくるまでのわずかな時間、手持ち無沙汰を紛らわす為にポケットからスマホを取り出す。
画面には、寝ていたはずの優衣からのメッセージが表示されていた。
〔律にまで嘘吐かせてゴメン。ありがとう〕
優衣は、目を閉じながらも律と俺の会話を聞いていたんだ。
別に謝らなくていいのに。
優衣の心が傷つかなくて済むのなら、俺は嘘つきにだって共犯者にだってなる。
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