行き止まり。

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 『はぁ』と溜息をひとつ吐いて、サッカーの放課後練習に行くべく席を立とうと机に手をついた時、  「後から行くから、晃くんは先に行って練習してて」  まだサクサク歩く事の出来ない優衣が、一緒にグラウンドに行こうとしていた晃の背中を軽く押しているのが目に入った。  「ちょっとくらい遅れても平気でしょ。部活じゃないんだから」  優衣の傍についていてあげたい心配性の晃が、『一緒に行こう』と優衣の手を取り繋いだ。  「遅れちゃダメ。やるからには勝ってほしいもん!! 1年のチームが2年生と3年生のチーム蹴散らせたら絶対おもしろいじゃん!!」  優衣が笑顔で晃を見上げ、晃に握られていた手を解いた。  「急がなくていいからね。怪我しない様にゆっくりおいでよ」  優衣が心配なのか、優衣と一緒に行くのを断られたのが残念なのかは分からないが、晃は少し顔を顰めると、優衣の頭を『ポンポン』と2、3回撫でて教室を出て行った。
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