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「まぁ、バレーは出たかったけどね。でも、バレーに出てたらサッカーの観戦が出来ない。確か、バレーとサッカーの試合時間被ってたと思うし。球技大会で彼氏の応援するってさ、『青春』ってカンジでやってみたかったんだよね」
『へへ』と照れ笑いながら、ゆっくり立ち上がる優衣。
中学までは、去年までは、俺を応援していた優衣が、今年は別の男に声援を送る。
寂しくて、何故か悔しい。
自分でもわけの分からない気持ちに、『娘を嫁に出す父親ってこんな感じなのかな』などと勝手な解釈をしていると、
「ほら。律もさっさと行きなよ。練習サボって晃くんの足引っ張ったら許さないからね!!」
優衣が俺の背中を『パシン』と叩いた。
「勉強は晃の方が出来るけど、運動神経は俺の方が上だっつーの」
あんまりな優衣の言い方に、ふてくされながら言い返すと、
「うん。知ってる。運動神経だけは昔から良かったもんね、律は」
優衣が、俺を小バカにしながら笑った。
俺と幼なじみでいる事を辞めた優衣が、昔話をしてくれた事が嬉しかった。
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