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-------------球技大会が終わって1週間。
いつもの毎日に戻った。
優衣と幼なじみではない日常。
同じ高校に通っているから、同じマンションに住んでいるから、どうしても優衣が目に入ってしまうから、優衣と幼なじみに戻れない寂しさを、忘れる事も慣れる事も出来ない。
優衣が男なら良かったのに。
優衣が男だったら、俺じゃなく彼女を優先された時、俺は今と同じ様な淋しさを覚えるのだろうか。
…何、仮想で仮定のBL的想像をしているんだろ、俺。エロ本も、グラビアアイドルも、女の子も大好きなのに。
最近、自分で自分の気持ちを理解する事が出来ずに、自分を持て余している。
「…もう、やだ」
放課後、誰もいない教室で、机に突っ伏し進路指導の順番を待っていると、
「優衣の次、律なんだ」
俺の前に進路指導を受けている優衣と一緒に帰る為に残っていただろう晃が、教室に入ってきた。
「うん」
身体を起こし、晃に返事をすると、晃が俺の前の席に腰を掛けた。
「最近、優衣のお姉さんとはどう?」
「どうって…」
晃の質問に口篭る。
優奈さんとは、相変わらずだから。 相変わらず、上手く行っていない。
年下の俺がガキすぎるバカだからダメなんだと思う。
優奈さんを、受け止める事が出来ないでいた。
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