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「優衣が心配してたから。『あの2人、ちゃんと上手くやってるのかな』って」
晃が机に視線を落とした。
「…そっか」
全然上手く行っていないけれど、優衣に気に掛けてもらえた事は、ちょっと嬉しかった。
「…律はさぁ。本当に優衣のお姉さんの事が好きなの? 律が好きなのは、優衣なんじゃないの?」
「え?」
晃が真剣トーンで話すから『はぁ?』と笑って返す事が出来なかった。
「球技大会の時のあれ、何? みんなの前で『幼なじみに戻りたい』って。どう見ても告白じゃん」
晃の視線が机から俺に移る。
「イヤイヤイヤイヤ。告白じゃないだろ。『幼なじみに戻りたい』で『彼氏になりたい』って言ったわけじゃないし」
手を左右に振って否定するも、
「そう思ってるの、律だけだよ。みんなは告白だと思ってる」
晃はそれを突っぱねた。
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