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「…前の日に俺、優奈さんとケンカしちゃってさ。そしたら優奈さん行方晦ませちゃって。だから、2人で探した。優衣は、晃に心配かけたくなくて黙ってただけだよ」
「…律が俺の立場だったら、黙ってて欲しいって思う?」
晃は溜息混じりに呆れた声を出すと、少し睨みを利かせて俺を見た。
優衣との秘密を持てた事に喜んでいた俺は、何て浅はかだったのだろう。
平気で親友を傷つけた。
「…教えて欲しいと思う」
素直に答えると、『ふぅ』と晃が大きめの溜息を1つ吐いた。そして、
「俺、優衣のお姉さんの気持ちが分かるんだよね。…お前ら何なんだよ。お前らはさ、『自分たちは幼なじみを大事に想っているだけ』とか思ってるかもしれないけどさ、そういうのが周りを傷つけてるって分かんない?」
晃が静かに怒りを放った。
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