迂回。

6/15

426人が本棚に入れています
本棚に追加
/164ページ
 「でも優衣は、物心付く前からずっと一緒に育ってきて、何てゆーか、家族みたいなモンで。だから、晃は俺を危険視しなくても大丈夫だし」  「何だよ、その少女マンガみたいな言い訳。家族じゃねぇだろうが。一緒に暮らしてねぇし、他人だろうが。そんな奴が『幼なじみなんで』とか言って彼女の周りウロウロしてさ。お前が1番危険だろうが!!」  俺の反論に、遂に晃が声を張ってキレた。  「ウロウロなんかしてねぇだろうが。優衣と晃が付き合う様になって、あの事故もあって、優衣とは全然話もしてねぇわ!!」  何故か俺もつられてキレる。  だって、優衣と仲良くしているのが気に食わなくてムカつかれるならまだしも、優衣から避けられている状態なのにキレられるのは解せない。
/164ページ

最初のコメントを投稿しよう!

426人が本棚に入れています
本棚に追加