#002 ここは、白い国

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顔に魚が張り付いたまま、辛うじて見えている片目で沢山魚のなっている枝の隙間を仰ぎ見ると… 空らしきものも真っ白で、それが空なのか天井なのかもよく判らない。 ただ、私が大きな木のようなものにぶら下がっているので、もしかすると屋外なのかもしれない。 室内だ、屋内だと気にしているのが馬鹿馬鹿しくなる位何もないので、それを考えるのはやめた。 面倒なので、今後はここを白い国と呼ぶことにする。 顔に張り付いた魚を、首を振って下に落とす。 下には何があるのか全く見えないのだけれど、水かもしれない。 ぽちゃんと魚が落ちた音がした。 白い国に、時計は無いらしい。 カレンダーも。 日付や時間の判る様なものは何も無い様子。 私が吊るされている?気持ちの悪い木の他には、隣にもう一本背の低い木があった。 その背の低い木も、白く葉も花もない。 ただ、長方形で半透明のこんにゃくみたいなものが、やはり実のように沢山なっていた。 こんにゃく?には、紐のようなものがついていて、その紐は私のぶら下がっている木の幹に突き刺さっている。 なんだこりゃ。
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