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「ふぁっ……ん、んんっ」
甘噛みされた胸の粒が、痛いほどに固く尖っていく。
「ここも……あぁ、ここもだ。お前の甘いところ、全部、俺のものだ」
「はぁっ……ぁん、甘い? ねぇ、俺、甘い、のっ? あっ、あぁぁんっ」
もう、先輩の口に含まれてないところなんて、ない。
濡れて上を向いた、胸の尖りも。
いやらしく揺れる、性器の先端も。
全て愛してくれるこの人に、ただ預けて快感だけを追う。
「真南。名前、呼んでくれ。呼び捨てがいい」
「けい、し?」
「そうだ。これから『先輩』呼びは、やめだ。恋人なんだから。いいな?」
「ああぁっ……けい、し……啓史っ」
「ん。全部、ずっと俺が堪能してやる。一生だ。覚悟しとけよ。俺は、一度愛したら長いぞ」
「あ……そんなのっ、俺だってっ……」
俺のほうが、ずっと長くあなたを愛してきたのに。
でも、それは口には出さずに飲み込む。
片想いの年数の長さじゃない。
これから、ふたりで重ねる時間が大事なんだ。
「じゃあ俺は、啓史をとろっとろに蕩かす甘ーいスイーツを作り続けてあげるから、覚悟しといて」
「おう、望むところだ。あ、バレンタインには毎年ガトーショコラを頼む」
「一番の好物ですもんね。いいですよ。特大のを作ります。いくらでも食べてください。でも体型が崩れたらスイーツ禁止にするからね。そこは気をつけて」
「お、おう。腹が出たりしないよう、筋トレ頑張る」
「ふふっ。ねぇ、大好きだよ」
俺から口づけた。
俺の『好き』もキスも、微笑んで受けとめてくれる。この人が本当に好きだ。
「俺も好き。ということで、続きしていい? 夜まで」
「それは困る」
「俺も困る」
「あははっ!」
啓史からもお返しのキスがきて、ふたりで同時に笑う。なんて幸せなんだろう。
今朝までは絶望と涙だけが俺の日々を彩っていたというのに、たった数時間で、嘘みたいに晴れやかな心地だ。
愛し、愛され、同じ想いを繋ぎ合わせることが許されてる。これは、なんて希少な幸運だろうか。
愛してる人に愛してもらえる幸せを忘れず、生きていかなくては。
もう離れない。これから先、何があっても、どんな時も一緒だよ。ふたりで時を重ねていくんだ。
甘く蕩ける時間を、ずっと、あなたとともに――。
Love so sweet, eternally.
-Fin-
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