偶然

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偶然

「なぁ、なんでこんなにコーヒーゼリーがあるんだ?」 「勝手に冷蔵庫あさるなよ。貰い物だ」    コーヒーゼリーを貰ったあの日から洸とは会ってもないし、連絡もとってないまま1週間がたった。 てゆーか連絡したとしてもなんて言えばいいかわかんねーし。   「お前、コーヒーゼリー好きなの??」 「まぁ、それなりに。」 「ふぅーん、1個貰うわ」 それなのにこの男、古賀岳は当たり前のように毎日きている。 今日だって休日で、仕事もないはずなのに、わざわざ電車に乗って来てるし。一体なに考えてんだか。 「なぁ梨月、どっかいかねーか」 「外暑いじゃねーかよ。なにしに行くんだよ」 「せっかくの休みなのに家にいるのも退屈だろ」 「別に。行くなら1人で行けよ」 「おいしいコーヒーゼリーの店知ってるんだけど」 心揺らいだのが自分でもわかる。 「そんなにおいしいのか?」 「まぁ、雑誌に載るくらい」   「たくしょうーがねーな。付き合ってやるか」   「ははは」 「なに、笑ってんだよ」 「お前さ、そこまでじゃなくて大好きじゃん。 コーヒーゼリー」 「・・・早く行くぞ」 「なんか可愛いな」 「可愛いいうな!」 というわけで古賀とお出かけすることになった。 ※※※ 「美味かったなぁ~ 雑誌に載るのもわかる」 「それはよかったな。梨月」 「てゆーかなんで名前呼びなんだよ」 「このほうが恋人っぽいだろ。 お前も岳って呼べばいいじゃん」 そーだった。 そーいや一応俺達恋人だったんだ。 すっかりその設定忘れてた。 ん?ならこれもデートに入るのか? 「てゆーかお前、この前キスしてきただろ。 ほら、コンビニの前で洸に会ったとき。 復讐はわかったけど、復讐のために男とキスできるんだな 」 「いっただろ? 復讐するためならどんなこともしてやると」 「いつ、その復讐は終わるんだよ」 「そーだな。俺の気が晴れるまでだな。 まだ終わってねーよ。俺の復讐は」 「はぁー。分かったよ。で、次、どーすん・・・」 先に見つけたのは古賀だった。
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