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デート①
昨晩洸から連絡があった。
『明日暇??
もし時間あったらお昼から会えない?』
仕事がないわけではなかった。
それでも店長に無理をいって半日抜けさせてもらえることとなった。
これも日頃の行いだろう。
「あ、すいません。」
待ち合わせ場所で待ってた俺に女の子がぶつかってきた。
ケータイをつついていて前を見なかったんだろう。
「いや、だい・・・ん?君さぁ」
「す、すいません、じゃあ。」
走り出そうとする女の子の手を掴み逃がさないようにした。
「なにやってんだよ。洸」
「ちぇ、ばれちゃった」
髪長いし、スカート穿いてるし、ぱっと見大人しい系の女の子かと思ったら洸だった。
「志保か?志保なのか??」
「なんかバレるの早かったわね。
もう少し大丈夫かと思ったんだけど。」
どこからともなく現れたこいつは宮野志保。
俺の家と志保の家が隣で子供の頃はよく遊んでいた。
ちなみに今は美容師と働いている。
「なにしてんだよ。お前は。」
「別にいいじゃない。可愛いでしょ?洸。」
「ま、まぁ最初誰かわからなかったけど・・・
だからって」
たしかに可愛いと思う。
女の子かとマジで思ったし、よく似合う。
こいつは童顔だし身長も160cm代だから尚更だ。
「着せ替え楽しかったわ。
いろいろ張り切っちゃったし。
ねぇ洸、りつに時間あったら2人でどっかいってくれば。せっかくそんな格好したんだし」
志保は俺の気持ちを知っている。
それでも気持ち悪がず協力してくれる。
「そうだね、りつは時間大丈夫?」
「あぁ、今日は仕事ないから」
「じゃあどっかいこうよ」
「おぅ」
「というわけで行ってきます。
志保ちゃんはこれから仕事だよね、頑張ってね」
「えぇ、あらもうこんな時間だわ。じゃあまたね」
志保がウインクをして去って行った。
本当に頼りになるやつだ。
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