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海①
学生は夏休みに入ってる時期であろう7月後半。
俺と洸は海へ来ていた。
「てゆーかなんで海なんだよ」
「やっぱ夏だしさ~遊びたいじゃん?
生徒たちが遊ぶ予定立ててたからうらやましくなって」
洸は今、非常勤の先生として小学校で働いている。
嬉しそうに生徒たちのことを話しているのでなんだか気に入らないが。
「仕事大丈夫だった?りつは」
「大丈夫だよ。てゆーか大丈夫じゃねーならきてねーよ」
「まぁそーだよね、じゃあ泳ごう!」
※※※
「疲れたー」
「いや早すぎだろ。
だいたいどっちが早いか勝負しよっていったのお前だろ」
「そーだけど、やっぱり歳かな」
「俺らまだ24だぞ」
「あはは、そーなんだけどね」
「飲み物買ってくるわ。コーラでいいんだっけ?」
「うん、ありがとう」
24、俺らはもう24なんだ。
なんだか変な感じだな。
高校生の頃なんて大人になった自分とか想像できなかったから。
洸は結婚したいとか思ってんだろうか。
もし結婚したら頻繁に洸とは会えなくなるだろうし、奥さんと仲よくいる洸は見たくない。
だからそん時には・・・
「オーイ、コーラって誰だよ、その子供ら」
「お帰り、りつ。あぁ、僕の生徒。
友達と海にきてたんだって。家族もきてるから大丈夫だよ。」
生徒という4人は俺をみてお辞儀した。
なんだ、礼儀いいじゃねーか。
「佐伯、一緒に遊ぼーぜ」
「君らで遊んでなさい」
「いいじゃんか、ケチ」
「一緒に遊べば?なにかあったとき安心だろ。
俺、疲れたから休んでるし」
海の家に行こうとするが誰かに服を掴まれてる。
誰かとは洸の生徒の1人で。
「おにーちゃんも遊ぼーよ」
「は?」
「いいじゃん、遊ぼ」
「俺、子供好きじゃねーから」
そー言ってるのに無理矢理引っ張ってくるし。
なんとかしろって目線送ってんのに笑ってるし。
はぁー、これは付き合うしかねーみたいだ。
自分勝手で相手のことなんか考えず、相手を巻き込む。
まるで洸みたいだ。
俺は苦笑するしかなかった。
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