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決断
「お前、俺と付き合え」
聞き間違いではなかった。
「ちょ、ちょっと待て。
それってどーいう意味?」
「そんなの恋人同士以外になにがあんだよ」
「え?お前、俺のこと好きなの?
てゆーかホモなの?!ドン引きなんだけど」
「ちげーよ!!
てゆーかホモなお前にドン引きされたくもないんだけど!!」
「違うならなんで・・・」
「んなの決まってんだろ。嫌がらせだよ」
「嫌がらせ?」
「喧嘩では勝てたことがねーけど、今喧嘩したって勝てるかわかんねーし、お前をタコ殴りにしたら最悪、会社クビだ。
俺は考えた、どーやってやり返そーかと。
そして思いついた。
好きなやつがいるのに恋人をつくらせることだ」
やっぱり頭の中は?マークでいっぱいだ。
「お前、ぜってー理解してねーだろ。
ったく、わかりやすくいうと、佐伯に俺という男の恋人がいるっていわせるんだよ。
そしたら佐伯は男と付き合ってるお前をどう思うのか、お前はそーいうほうが効果抜群だろ?」
「・・・洸は別になにも思わないと思うけど。」
「そうか?でも自分でもさっき言ってただろ?
ホモとかドン引きだと」
あ・・・
でもあれは冗談で言ったことだ。
俺も洸という男が好きだから冗談で済まされる。
もし俺が洸を好きだと気づく前に、ホモだと言われたら・・・
あー、やっとこいつの言ってる意味がわかった。
「さぁ、どーする?豊永。
佐伯に好きだと言ってドン引きされるか、俺を恋人にしたと佐伯に言ってドン引きされるか。
二択に一託だ。
好きなほうを選べばいい」
「他の選択肢はないのか?
奴隷でもいい。だから他の」
「お前にとってそんなに大事なんだな、佐伯は。
・・・二択に一託って言っただろ?
これはお前に復讐するためのものなんだから。
お前が1番嫌なことをしないとダメだろ。
あと30秒な」
どーする、どーすればいい。
「20、19、18」
どーすれば洸が・・・
「5、4、3」
「わかった」
「で、答えは?」
俺は覚悟を決めた。
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