デート②

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デート②

女装した洸と映画にいくことにした。 もともと見ようといっていたやつだ。 ふと気づいた。 こ、これって周りからしたらデートなんじゃね? 今までにも2人でどこかにいくことはあった。 そん時はただの友達付き合いとしてしか考えないようにしていたけど今日は・・・ 「どうかしたの?りつ、顔赤いよ」   「な、なんでもない」 やっぱり仕事休んでよかった。 映画のあとはランチだ。 どこにいこーかと探していたところ 「りつ!あそこ行きたい!!」 と洸がいったのはカップル限定特別デザート と旗がある店。 本当に甘党だな。 「この格好なんだから大丈夫でしょ」 というわけでその店にいった。 「カップル様1組でよろしいですか?」 「はい」 内心テンションが上がっていたのは内緒だ。 ※※※ 「おいしかったな」 「うん!」 上機嫌な洸を見てるとなんだか俺も嬉しくなってつい抱きしめてしまった。 「りつ?」 洸に名前を呼ばれ我にかえる。   「い、いやさすがに女の子の体じゃないなって思って」   「まぁ男だしね」 下手な言い訳だと自分でも思ったけど変には思われなかったようだ。   しっかりしろ!俺、欲に負けるな! 友達としてでいいから傍にいるって決めたんだろ! だったら絶対気持ちがバレきゃいけない。 もしバレたら洸は俺から離れていく。 『別に俺は男が好きなわけじゃない。 好きになったのがお前なだけだ。』   洸を好きだと気づいたときBL本っていうのを初めて読んだ。確かそんなセリフがあった気がする。 そのセリフに共感さえした。 でもその話は叶わない恋から始まって主人公は最終的に思い人と結ばれた。 それがフィクションだからとわかってはいるけど似たような境遇な俺も結ばれることを考えてしまう。 「りつ、ありがとうね、いつも僕のわがままに付き合ってくれて」 「いや、別に。」 「やっぱりりつは優しいよね。 僕、りつが好きだよ。」 こいつはズルイ。 俺の気持ちを知らないから当たり前なんだと思うけど好きだとか簡単にいうから。 友達としてだとわかっているから尚更辛い。 「俺もだよ」 いつものように冗談で交わす言葉。 恋愛的な意味でって付け加えたら、お前はどんな反応するだろうか。
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