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膨らみかけた喉袋が引っ込む。
自慢の長い舌を仕舞った口はより固く結ばれ、暗闇を満たした瞳がまあるく拡がった。
まるで、蛇にでも睨まれたように、手足を硬直させて、彼女の動きを睨んだ。
彼が見ている世界は、いつも地べたから空を見上げる。
分厚い雲が風に押されて走っていく。
パタッと音がして、視界の半分を占めるフキの葉と空との境に、輝く水滴が現れた。
彼女が重い腰を、ゆっくりあげる。
カエルには特に遅く見えただろう。
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