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カエルの心はギュウと締め付けられた。
まるで身体中がカラカラに乾いたような、危機感さえ感じる。
終わりか、終わりなのか。
ヒキガエルは口をパックリと開けた。
この立派なカエルは、蛇の前でも絶望を感じたことがない。
例えその腹に納まったとしても、わからなかった感情だろう。
世界が、終わる。
彼女が自分を抱えあげれば、それでお仕舞いだ。
この距離を、彼女より早く逃げる術がない。
後ろ足が無意識に下がる。
追うように、前足も踏み場を探した。
迫り来るつぶてに、忙しく瞬きしながら、小さな心臓の鼓動はより激しくなっていった。
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