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蝋のように白い優雅な指先が、フキの葉を優しく摘まんでめくりあげた。
その時だ。
ヒキガエルはその音を、この世が崩落した音だと信じた。
女たちは各々悲鳴をあげ、責務も果たさず逃げ惑う。
勢い余って千切られたフキの葉は、地面に落ちて踏みつけられた。
あっという間に地面はぬかるみ、彼女たちの足をとる。
豪華なドレスは泥まみれになり、艶やかなヒールは恐らく何かを踏み潰した。
それも泥に混じると、最早、何であったかわからなくなった。
乾いた地面を潤す以上に、洗い流すかのような豪雨は、暫く続いた。
フキの葉を打ち付ける雨粒の音の合間に、遠退いていく悲鳴があり、それを追いたてる雷鳴がこだました。
そうして、そこには雨音だけが残った。
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