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手に手を取って歩けたら、幸せなのか。
ヒキガエルは静かに考えた。
ヒキガエルとしては立派な身なりだが、彼の目に映る者にはそうではないらしい。
もし、この体が、この声が、あれの求めるモノだったなら、この心は満たされるのだろうか。
隅から隅まで瑞々しく、どこへでも行くことが出来る手足。
遠くを飛ぶハエさえも瞬時に捉えることが出来る長い舌。
頭部の両端に位置し、黒々と澄んでいて宝石のような輝きさえ持つ瞳。
喉袋は低く深い声をよく響かせる。
どんなメスも、このヒキガエルならば受け入れるであろう。
フキの大きな葉の下で、身を隠すように座した茶色いカエルは、立派な体を疎ましいように縮こませていた。
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