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「やってられるか」
「そりゃそうだ」
部署こそ違うが、同期入社の友人と待ち合わせての昼休み。上司の仕打ちを熟々と語った俺に、友人は同意してくれた。
「塵芥さんだっけ? あの人、評判悪いよ」
「経理部でもか?」
「うん。人の話聞かないし、国立出だか知らないけど、仕事は出来ないしって」
そうなのだ。仕事が出来る人間ならば、例え理不尽であろうが向こうに利がある。ところが、人間性に難有り、仕事は出来ない。典型的なダメ上司。
「やっぱりそうか」
薄々どころか、当初からわかりきってはいた。雑務が山積みの人間に、自分の仕事を上乗せした挙句、彼は定時に帰って行く。おかしいだろう。自分の仕事は自分で片付けて帰れ。そんな彼は、定刻までスマホアプリに興じているのだから、始末に負えない。
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