君の脚は関係なく思い出は紡がれる

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「それでは不肖山崎泰生! 行ってまいります!」  シュバっと敬礼する泰生は優しそうなお母さんと共に俺たち三人からの見送りを受けていた。 「貴志くん。手術に成功して帰ってきたらお願いがあるから聞いてくださいね」  いつも通りの笑顔。いつも通り不安を隠す笑顔。 「とりあえず、内容を聞いてからだな」 「はい! あと、綾香ちゃん。私が帰ってくるまでは思いとどまっててくださいね」 「ど、努力します」  なぜか苦笑いの綾香と泰生。細谷さんに至ってはずっと泣いてて話せる感じではなかった。 「では、いってきます」  その言葉を最後に泰生はカナダへと立った。
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