3人が本棚に入れています
本棚に追加
思わず溜め息が出る。
そんなあたしをよそに、彼はお腹をグーグー言わせながらジーっと何かを見ている。
視線を辿ってあたしは、あぁ……と納得した。
「これ食べたら帰ってよ」
あたしは手にしていたコンビニの袋を彼に渡した。
「ありがとうございます!」
彼はニコリと笑いながら嬉しそうに袋を持って部屋の中に入った。
あたしはまた溜め息をつきながら、彼に続いて部屋へと向かった。
よく考えなくても、今起こっている事は凄くおかしな事。
名前も知らない男を部屋に上げて、一晩泊めた。
今なんて、自分のご飯をあげてしまった。
全ては昨日、彼を拾った自分が悪いんだけど、何となく、彼はこのまま大人しく帰ってくれない気がする。
さて……どうしようか。
最初のコメントを投稿しよう!