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その様子にすっかり騙された俺は訳も聞かず、慌てて彼女の下宿先まですっ飛んでいった。
その結果がこれである。
「私じゃこんな大荷物持って帰れないですし」
「箱買いしなかったらいいだろ。それか取置きお願いして、何本かに分けて持ち帰るとか」
「だってあのお店結構遠いし、大学とは逆方向だから行く用事ないですし……」
あっけらかんとした様子で、自分勝手な理由を口走る揚羽。
実際、そのお店は彼女の下宿先から歩いて30分以上かかる所にある。
じゃあ自転車でも乗っていけよと言いたいところだが、彼女は自転車が乗れないらしい。
逆方向にある大学まで通うのにも、毎日徒歩で30分かけて通学しているから、嘘ではないようだ。
だからといって、俺をこき使うのはOKという話にはならんがな!
「それ完全に自分の都合じゃねーか!」
「う~、そこをなんとか! こんな事頼めるの先輩しかいないんですよー」
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