第2話桃ちゃんと熱を出した僕

6/6
前へ
/45ページ
次へ
「…はいはい。どうせ俺は変な人ですよーだ」 苦笑いして桃は夏樹に言い返した。 「でも…貴方に面倒を見て貰って悪い気は…しません」 夏樹はポツリと桃に呟く。 「そうか…なら良かった」 夏樹の言葉に、桃は安心して嬉しそうに笑った。 ピピピッ 「音が鳴りました…」 「見せてくれ」 体温計の音が鳴り、夏樹は体温計を取り出すと…桃に言われ手渡す。 「38度4分…熱が高いな…」 体温計を見て桃は眉を潜めた。 「高いですか?このくらい…どうって事ないですよ」 「アホ。痩せ我慢するな。熱を馬鹿にしちゃ駄目だ」 軽く言う夏樹に、桃は呆れた顔をして注意する。 「取り敢えず…お粥作って来るから…安静にして待ってろ。良いな?」 立ち上がると、桃は夏樹に言い聞かせるように言う。 「分かりましたよ。味…薄めの味付けより、濃い味付けの方が良いです」 ちゃっかり夏樹は桃に注文して… 「濃い味付けだな?分かった。お粥は濃い味付けにするぜ」 桃は苦笑して夏樹に頷くと、夏樹の部屋から出ていくのだった。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加