第一章 - 好きになったのは人妻二児の母

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 私は、週末の土曜日娘の茜と買い物に出かけた。  美術部の茜が新しい絵の具と筆が必要だと二人で出かけた。  私は未来も誘ったが、彼女は彼女で、彼氏と映画を見に行くから。と、断られた。  未来が中学生の時はよく三人で買い物に出かけたけれど、高校生になると行動範囲が広がったこともあってか、親と出かけるよりも友達や恋人と過ごす時間が増え家族との時間は無くなっていく。  自分自身もそうだったし、そんなものだと理解しながらも一抹の寂しさを感じずにはいられない。  茜も中学三年生。後、半年もすれば母親と買い物に行く機会も減るだろうと思えば、ついついと甘やかしてしまう。  私にも自覚はある。  末っ子と言う事もあって甘え上手な茜は、絵の具を買って、未来が食べるよりかも豪華なランチを所望する。  挙句、夏講習で着ていく洋服を見たいというから、「自分で買うのよ」 と言ったのに、買ってしまった。
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