夜と朝の間に…

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時は流れて… 1998年12月25日夜8時過ぎのことでありました。 27歳の私は、ショルダーひとつを持って、品川バスターミナルから今治行きの夜行バス『パイレーツ』に乗りましてあてのない旅に出ました。 私は、バスの窓からクリスマスカラーに染まっている大都会の風景をぼんやりとながめていました。 バスの車内のモニターには、紫門ふみさんの原作のドラマ『101回目のプロポーズ』が映っていましたが、私はラブストーリーを見ることが苦痛なので、目をそらしていました。 私には… お嫁さんになって下さる女性がいないから… 結婚自体をあきらめた… 生きて行くことに疲れてしまった… 私は、昭和49年11月29日に実母に置き去りにされた事件を思い出したので、悲しみがさらに深くなっていました。 あの置き去り事件が原因で… 私の人生は大きく狂ってしまったみたいだ…
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