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「あんたね!!医大を卒業しましたと言って偉そうな顔しているわよ…お医者さんになるための勉強をしたと言うてはるけど、ゼミを勝手に休んで合コンばかりしてはったのでしょ…男を食い物にして遊んでばかりいたのでしょ…親類の家のカネを使って華のキャンパスライフをマンキツしていたのでしょ!!ふざけているわよ!!」
「おじょうちゃん…」
「あんたね、キレイごとばかり言わんといてくれるかしら…大学で遊んでばかりいたから医師免許の試験に落ちたのでしょ…無免許女医!!」
きょうこは、女医さんに『無免許女医!!』とバトウしたあと『あんたを裁判所へ訴えるから…』と言うて診察室から出て行きました。
病院を飛び出したきょうこは、アーケード街を通ってドンドビ交差点へ向かってトボトボと歩いていました。
ドンドビ交差点で信号待ちをしていた時に、角にありますヒラハラレコード(レコード店)の入口に設置されているスピーカーから梓みちよさんの歌で『こんにちは赤ちゃん』が流れていたのを聴いた時に、きょうこは歌を聴きながらこんなことを思っていました。
アタシ…
高校を棄てて…
結婚しようかなぁ…
胎内に赤ちゃんを抱えたままでは…
高校生活を送ることができないわ…
どうしよう…
きょうこはこの時、高校生活をあきらめて結婚することを訣意したので後へひくことができなくなりました。
きょうこは夜7時頃に家に帰ってきましたが、家にだれもいなかったので、ひとりぼっちになっていました。
テーブルの上に置かれている料理をエレック(ナショナル電子レンジ)で温めてねと書かれているメモ用紙を見たきょうこは、メモ用紙をクシャクシャにして棄てた後、右手で髪の毛をクシャクシャにしましていらだっていました。
きょうこは、次の日から高校を無断で休んだあげくに家出をしてしまいました。
その後、大洲市内のバスターミナルで警察官に保護された後に五十崎で暮らしている公証役場の事務長はん・守口さんの夫婦の家に移りました。
それから6ヶ月後に、きょうこの本籍地は喜多郡五十崎町にあります事務長はんの家に移りました。
その間に、きょうこは大三島の肥海で暮らしている助産婦さんの家に一時滞在した後に一時預かりの母子保護施設に移りまして、出産の準備をしていました。
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