大野優斗の恋文

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3   岡本絵莉花さんへ  大野優斗です。    教室でいつも会っているけど、面と向かって言うのは恥ずかしいので、手紙を書きました。時間がある時に読んでください。    初めて会ったとき、あなたの声に魅かれました。思えばあの時の自己紹介の時点で僕は恋に落ちたのかも知れません。  最初はあなたの声ばかりを追っていました。遠くからでもあなたの声は分かります。    あなたが友達と話しているのをよく聞いていました。  あなたが、おかえりと呼ばれていること、あなたはそっけない人だということ、それでも友達のお願いは断れないということ、全部素敵だなって思います。    気づけばあなたの人柄に魅かれていました。  あなたが友達に言い放つ言葉一つ一つがあなたの優しさを表していました。    「友人」についての作文を発表した時、あなたは自分のこと、図々しくて冷たいなんて言っていましたが、それも含めあなたは魅力的です。    僕はあなたと同じ屋根の下で生活したい。朝には「行ってきます」、「いってらっしゃい」って言いたいし、帰ってくるあなたに「おかえり」って言いたい。    好きです。  付き合ってください。
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