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悠和は何となく、自分のどこに気持ちが向いているのか気付いている様な気がしていた。
卒業旅行以降は、一度映画に行ったっきりで悠和からは連絡は来ても遊びに誘われる事は無かい。
──忙しいのは見ててわかったし。
悠和なりに感じ取って気を使ってくれていたんだろう。
「⋯ ありがとう」
「その為に来たからね。蛍の役に立てたなら嬉しいよ」
呟いた言葉は、荷物を持って部屋の外に出た悠和にしっかりと聞こえていた様だった。
返ってきた言葉は別の事と解釈していたけど、それも悠和らしい。
荷物を持って階段を降りると、玄関に荷物を下ろしてもらう。
スーツケースと、肩掛けの旅行用のバッグ。
更に手持ちの荷物もあって、この量をひとりで持って移動するのは少し辛い。
家を出てからは、怪しまれない様にと悠和と山口がひとつずつ荷物を持ってくれて、ひたすら感謝の言葉を口にしていた。
駅前のファミレスで夕飯を食べて、今日のお礼にと全員分を秋良が支払ってくれた。
特に用があった訳では無いけど、制服だった事もあって早めに解散。
そんな訳で、割と早く着いた秋良のマンション。
割と早いと言っても、当初は荷物置きに来るだけの予定が大きく変わって今日から仮の家。
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