6.Music festival.-吉澤蛍の場合-

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「見て、蛍」 「ミュージックフェスの?」 「そう。 放送終了後の速報と変わらず、今2位。結構上位にいるんだよね。 あのギャラリーの意味が分かったよ」 「みんなよく俺達が壱高だってわかるよね」 「中学の時の知り合い伝いにでも広がっていったんだろ。 2人共いるとは思わないだろうけど」 確かに、中学の時に仲良かった人からもメールは来ていた。 そんな多くは無かったから気にならなかったが、結構話題になっているようだ。 「なんか⋯ やっぱり実感が湧かないなー。 まだ人事の様に思える」 「まだ遠巻きに見てる人の方が多いからね。 山口達が良い感じにガードしてくれてるから本当助かってる」 「声掛けられたら掛けられたで上手く対応できる気はしないんだけどね」 「嫌でも慣れるよ」 秋良は余裕のある笑みを見せて、上位のユニットの動画を再生した。 現在、3位は打ち上げに参加していた来栖樹里、1位はCross gateというバンドの様だ。 ─打ち上げは殆ど、千尋と来栖としか話してないから交流も何も無かったな。 後半はそれどころじゃなかったし。 正直、順位はそれ程気にはならない。 ミュージックフェスに関しては秋良とユニットが組め、フェスに出ることができたこと自体に満足している。
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