第一話 《息子》

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私は闇金からお金を借りた。 主人が心筋梗塞で3年前に亡くなり息子の孝司と娘の由貴の3人で家を出た。 主人の生命保険で家のローンは返せたが車や他のローンがあり家を売った。 その家を売ったお金も子供達の学費などで消えてしまった。 孝司は高校を卒業して働き出したが娘の由貴はまだ高校2年生で学費や部活動の夏休みの合宿などでお金が必要だった。 私はお嬢様育ちで働いたことは無い でも実家の経営する金型工場も主人が亡くなった頃から景気が悪くなり実家からはお金は借りることは出来なかった。 そして先月、闇金から10万円を借りてしまった。 そしてニコニコファイナンスの山本から電話があった「鈴木さん!今日が返済日なんだけどね!振り込みは3時までですよ!20万早くお願いしますよ!」と、私は「20万円ですか?…借りたの10万円ですよ!…」と、山本が「内は他に比べたら金利安いですよ!1ヶ月なんだから…他で借りたら1週間で倍になりますよ!」と。 私の手元には3万円しかなかった。 山本が「息子さん働いてますよね…会社、行きますよ!…」と、私が慌て「それだけは許して下さい!…」と。
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