0人が本棚に入れています
本棚に追加
この町では7月最後の日曜日は毎年花火大会がある。
市が開催しているくせに花火を見るための席を設け、その席のチケットを販売するというケチな側面も見せているが、屋台が出てたりして結構盛り上がるので町のほとんどの人は、家族や友人、恋人と出かけていく。この日は夕方から町のあちこちで浴衣姿の人々であふれかえる。
しかしそれは私には関係ないことだ。
私はそれに行かない。恋人なんていないし、友達とも都合はつかなかった。家族とも行く気はしなかったので、今日はお家でお留守番。
昼間はそれがいい話だと思った。家族がいなかったら家で自分の好きなように過ごせる。もともと1人は嫌いじゃない。むしろ気が楽で好きなほうだ。夜は1人、ゲームでもして過ごそうと思っていた。
最初のコメントを投稿しよう!