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老人「ところであんた兵士ってなりでも無いし…傭兵かい?」
黒い剣士「…まあ、そんなところだ」
老人「そうかい…実は、息子も傭兵だったんだよ…今でも憶えてる」
老人は、昔の事をぽつりぽつりと言いだす。
老人「昔、息子の嫁さん…つまりメアリーの母親がな病気になったんだ。それで稼ぐだけなら早いって事で傭兵を始めたんだよ。だが儂は、危ないものだし万が一息子が死んだら嫁さんと娘は、どうするんだ!?って言ったんだ…」
老人は、苦虫を噛み潰したように顔をしかめ悔やみながら言う。
老人「けどダメだった…息子は、行っちまったんだ…あれからいくら待ってもそのまま帰ってくる事は、なかった。そして、嫁さんも病気が悪化しちまってな…もし、わしがちゃんと止めてたら変わっていたのかもしれないな」
黒い剣士「…もし…なんてものは、無いさ。あるのは今だけ、例えどれだけ悔もうと時間が戻る事は無い…」
老人「…」
黒い剣士「…だが、生きているならば、今を悔やむ事の無いように生きるだけさ…最も死んだら意味が無いけどな…」
老人「そうじゃな、すまんな長話をさせて…そういやあんた、名前わ?」
キョウ「…キョウ、ただのキョウさ…悪いが少し休ませてもらう」
キョウはそう言って瞳を閉じると…
ファサァ
キョウに毛布がかけられる。
キョウ「…?」
メアリー「風…ひいちゃいますから」
キョウ「ありがとよ…」
その毛布を受け取りキョウは、深い深い闇えと誘われる…
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