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「でも、よく月さんが一人で教室に帰らせてくれましたね?(月さんは絶対こんな可愛い子を一人で教室に帰らせたりはしないで、迎えを呼ぶはずなのですが。)」
「えっ!………ははは。」
やばい。
麗先輩の声が怖い。
笑顔が怖い。
絶対怒ってますよね?
よし!
ここは誤魔化すしかない。
「えっと、麗先輩、月さんって?」
「あっ、月さんは保険医で、私の義理の兄です。母親が違うんですよ。私の母親が正妻で、月さんの母親が愛人です。」
あっ、ダメなこと聞いちゃったかな?
麗先輩凄く悲しそうな顔してる。
「私の母は私を産むのが遅くて、二ノ宮の家に跡取りがいないのは困るので父が愛人を作り、子供を産ませたんです。それが月さんです。」
これって聞いちゃっていいのかな?
「私が生まれるまで月さんは二ノ宮の家の跡取りとしてとても頑張っていたんです。でも、私が産まれたせいで努力がすべて水の泡になってしまったんです。」
麗先輩………とっても悲しそう。
ぎゅっ
俺は麗先輩に抱きつく。
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