prologue ~拝啓、神様~

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このお願い事を、神様はきっと聞いてはくれないかもしれない。 それでも、願わずにはいられないことを、どうか許して欲しい。 時間なんていうものはあっと言う間だ。 そんな短い時の中で、君と過ごせる時間をもっと作りたい。 君との思い出を、もっと増やしたい。 永遠の誓いなんてものを交わして、いわゆる夫婦になったりして。 君の隣を、老いてしわしわになってしまうまで共に歩きたい。 そんな願い事。 ああ、だけど。 この願いは、少しワガママ過ぎるかもしれないな。 でも、どうしても、心底願ってしまうのだからしょうがない。 こんな想いを、君が知ったら何て言うだろうか。 怒って怒鳴り散らしてくれたら、とても嬉しいな。 だってそうしてくれるということは、きっと本気で想ってくれているということだろうから。 ワガママな願いだけれど、君が肯定してくれたら、いつか叶ってくれる気がする。 それが現実などじゃなく、ただの夢だとしても、きっと、幸せだ。 だから。 ありったけの思いを込めて、ただ願った。 神様どうか、大きく育ってしまったこのお願い事を叶えてください。 それさえ叶えば、後はもう、何も強くは望みません。 だから、どうか・・・・・・。 どうか・・・──────  
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