廻れ11

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*** 足早にテーブルを離れた目つきの悪い赤髪の男は、人通りの少ない廊下に出ると、さっきはあまり出せなかった苛立ちを表すように舌打ちをして、この学校で威張り腐っている幼馴染みに電話をかけた。 普段は腹立つことしか言わない奴だが、この学園において、今回の件では頼りになるだろう。 他人に頼るのは悔しいが、それもこれも、すべては大切な人を守るためだ。 一つため息を吐いて、電話越しに相手を呼んだ。
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