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そっと目を逸らした俺に舌打ちをした倉谷が、苛立ちを今度は冬樹くんにぶつけるように、なんでここにいるのかと吐き捨てた。そんな倉谷に嫌な顔を一つ返して冬樹くんはうどんを啜った。
「さっき説明した通りだ」
「アンタがいてなんかなんの?俺たちでなんとかできるし」
「できてないから言ってんだろオレンジ頭」
「なんだとオカマチビ」
今に喧嘩しそうな二人にあばばばと混乱していると、呆れたようにため息を吐いた碓氷と大友くんが二人に制止をかける。
「まぁ、よせよ…悔しいが目時の言ってる事は事実だろ」
「ああ、それに、風紀委員だから俺たちよりも動きやすいのも確かだ」
「チッ」
不機嫌さ全開な倉谷にしたり顔の冬樹くん。
ペースを崩される倉谷も珍しいなとぼんやり眺めていると、普段より低い碓氷の声が俺を呼んだ。
「それより…那乃」
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