廻れ11

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「な、なに?」 横を向けば明らかに怒っている碓氷と目が合って肩が揺れた。 いつもの悪戯がばれた時なんて比じゃない怖さ。 動揺に瞳を揺らす俺をその切れ長の目でしっかり射抜く。 「なんで、俺たちに言わなかったんだ」 その言葉に、三人を見て、やっと気づいた。 怒りや心配。それだけじゃなかった。いやむしろ、気付いた瞬間、彼らを占めている殆どがソレだった。 三人とも、おかしなぐらい悔しがっているんだ。 「栗島…俺たちは頼りなかったか?」 「ち、ちがっ」 「よりによって最初に頼ったのがオカマチビとか…」 大友くんも、倉谷も。 きっと俺に頼って欲しかったんだ。 そんなことに、今の今まで気付けなかった。 逆の立場なら、自分も同じことを思うのに。 そう思うと今までの自分が酷く独り善がりなことに気付いて、ここが人目にはつきにくい隅の席でも、多くの生徒がいる食堂だということを忘れて泣いてしまった。
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