廻れ1

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あまりのショックで本格的に泣き出した俺。気持ち悪いにも程があるが、許して欲しい。このダメージは大きい。 優しい山田さんは地面に伏せておいおいと泣く俺を立たせ、受付室に繋がる、管理人部屋と書いてある部屋に連れて行ってくれた。箱ティッシュ片手に。 あ、それさっき俺を叩いたやつ。 部屋の内装はさっき見てきた自分の部屋と同じだが、これを1人で使うのだから結構な広さだろう。 山田さんとソファに座り、渡されたティッシュで涙を拭いた。ついでにずび、と鼻をかむ。 テーブルに置いたパンフレットが目に入り、再び涙が出てきそうになったところで、山田さんが慌ててパンフレットを自分のお尻の下に隠した。うわ、御姉様が。 山田さんのその優しさ溢れるシュールな行動にいつの間にか涙が引いていた。 ふぅ、と深呼吸をすると、横からも安堵の溜め息が聞こえた。次いで頭をぽんぽんされる。 「よしよし、泣き止んだね」 「うぁ、はい…」 恥ずかしい。今までの行動を思い返すと恥ずかしい。というか端から見ればキチガイだ。
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